公開日:2025年09月26日
更新日:2025年09月26日
お線香は折っても大丈夫?丨正しい扱い方と知っておきたい注意点
仏壇やお墓参りのときに欠かせない”お線香”ですが、人から「折ってはいけない」と聞いたりして、戸惑った経験はありませんか。
実際、お線香を折るのはマナー違反ではありませんが、折るかどうかは宗派や地域によって考え方が違います。
ここでは、お線香を折る意味や注意点、さらに宗派ごとの扱い方を丁寧に解説いたします。
お線香を折るのはマナー違反?
前述したとおり、「お線香を折ってはいけない」という決まりはありません。
仏さまに香りと煙を届けることが役目であり、形よりも心が大切だからです。
ただし、理由や場面を考えずに折ってしまうと、周囲の方から誤解を招くこともあるため、それぞれの考え方や周りの方への配慮を忘れないようにしましょう。
「折ってはいけない」と言われる理由
「お線香を折る」という行為が、何かを”断つ”ことを連想させるため、縁起が良くないと考える方もいらっしゃいます。
また、「一本筋を通す」という言葉があるように、途中で折れていない一本のお線香が、仏様へのまっすぐな想いを表す、という考え方もあるとされます。
しかし、これは俗信の範囲であり、仏教の教えに基づいた考え方ではありません。
仏壇やお墓を安全に保つことの方が大切なので、危ないと感じたら長さを調整してください。
お線香を折る理由
香炉が小さいため
ご自宅の仏壇や屋外のお墓など、場所によっては香炉が小さく、そのままでは長いお線香を供えられないことがあります。
折って長さを調整することで、衣服が燃えたり仏壇に灰が落ちたりといった危険を防ぎ、火事防止につながります。
複数本を供える意味合い
地域によっては、折った線香を重ねて供えることで「仏・法・僧」への敬意を表すと解釈する場合もあります。
お線香を折って使用するときの注意点
✓ 折るのは必ず火をつける前に行うこと
✓ 折った破片を香炉へ納めること
✓ 無理に力を入れて折らず、丁寧に扱うこと
こういったポイントを守れば、折ること自体が不作法とみなされることはほとんどないでしょう。
宗派ごとのお線香の扱い方
お線香の立て方や折るかどうかは、宗派によって異なります。
浄土真宗や浄土宗では折ることもありますが、他の宗派では折る習慣は基本的にありません。
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浄土真宗
香炉の中で、お線香を1本立てずに横に寝かせます。折って長さを調整することもあります。 - 浄土宗
1〜3本を立てて供え、香炉に合わせて折ることもあります。 -
曹洞宗・臨済宗(禅宗系)
1本を立てて供えます。 -
日蓮宗
1本または3本を立てて供えます。 -
真言宗・天台宗
3本を立てるのが基本ですが、場合によっては1本立てる地域もあります。
このように、宗派や地域によって所作は異なるため、前にお参りした方の作法を参考にしたり、迷ったときは僧侶や葬儀社に確認して、その場の習慣に従うのが安心です。
より詳しいお線香の特長や宗派ごとの考え方について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
より安全なお墓参りにするために
お線香を折ることは決してマナー違反ではなく、香炉の大きさや火災防止につながることもあります。
宗派によって考え方や扱い方は違いますが、共通して大切なのは、仏さまや故人を敬う真心です。
お線香も火の元になりかねないため、乾燥するこれからの時期も安全に使うことを心がけましょう。
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お参りや法要にまつわる疑問があれば、どうぞお気軽にご相談ください。