公開日:2024年10月01日
更新日:2024年09月30日
仏壇式納骨堂とは何か?その特徴とメリット・デメリットを解説!
終活を考える中で、亡くなった後の遺骨の供養方法をどうするかというのは、誰もが直面する課題です。近年では、お墓を持たない人や、家族にお墓の維持管理の負担をかけたくないという理由から「納骨堂」を選ぶ人が増えています。
この記事では、納骨堂の中でも「仏壇式納骨堂」の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説し、どのような人に向いているかを紹介します。
納骨堂とは?
納骨堂とは、遺骨を納めるための施設であり、伝統的な墓石に代わる新しい供養スタイルの一つです。霊廟と呼ばれることもあり、寺院や霊園内に設置されることが一般的です。納骨堂は、「墓地、埋葬等に関する法律」に基づいて許可を得て設置されるため、誰でも自由に作れるものではありません。
遺骨を納めるという点では、納骨堂も従来のお墓と同じ役割を持っていますが、永代供養が付いていることが多いのが特徴です。永代供養とは、家族や子孫に代わって管理者(寺院や霊園)が長期にわたり供養を行ってくれるサービスです。
納骨堂は基本的に屋内にあり、天候や季節に左右されることなく、お参りすることができます。掃除や維持管理は管理者が行うため、お参りの際の負担も少なくなります。
仏壇式納骨堂とは?
仏壇式納骨堂とは、遺骨を仏壇の中に納める形式の納骨堂です。名前の通り、仏壇が設置されており、家族や親族で利用することができます。家庭で使う仏壇と同様に、仏壇の中にお供え物や位牌を置くことができるため、従来のお墓と同じように手厚く供養が可能です。
仏壇式納骨堂の特徴は、一般的なお墓よりも納骨スペースが広く、複数人分の遺骨を安置できる点です。家族代々で利用できることも多く、跡継ぎがいる場合や家族全員で同じ場所に納骨したいという人に向いています。
納骨堂の種類
納骨堂には仏壇式以外にもさまざまな種類があります。それぞれの特徴を以下に紹介します。
1. 仏壇式
- 特徴:仏壇が設置されており、遺骨を仏壇の下部に安置する。
- メリット:家族全員が一緒に納骨でき、仏壇と同じようにお供え物や位牌を置ける。
- デメリット:他の納骨堂と比べて費用が高い。
2. 棚式
- 特徴:施設の壁や棚に遺骨を納める形式。シンプルで古くからある形。
- メリット:費用が比較的安価。
- デメリット:仏壇やお供え物を置くスペースがなく、見栄えが簡素。
3. ロッカー式
- 特徴:コインロッカーのような形状で、扉のついた納骨スペースに遺骨を安置する。
- メリット:個別で鍵がかけられるため、プライバシーが守られる。
- デメリット:お供え物を置くスペースが限られている。
4. 自動搬送式(マンション型)
- 特徴:機械によって遺骨が自動で運ばれてくるタイプ。参拝者はカードをかざして遺骨を呼び出す。
- メリット:スペース効率が良く、多人数での利用も可能。
- デメリット:参拝のたびに機械を使うため、直接的な遺骨との対面がない。
仏壇式納骨堂のメリット
仏壇式納骨堂には、他の納骨堂にはない多くのメリットがあります。
1. 家族代々が納骨できる
仏壇式納骨堂は、スペースが広く取られているため、家族全員で利用することができます。一般的な納骨堂では、1代か2代までしか利用できないことが多いですが、仏壇式は代々引き継ぐことが可能です。家族全員が同じ場所で供養されたいという方には最適です。
2. 立派な仏壇が設置されている
仏壇式納骨堂に設置されている仏壇は、立派で装飾も豪華なものが多く、見栄えも良いため、参拝する際に手を合わせやすい環境が整っています。家庭の仏壇と同様に、家族でのお参りがしやすくなります。
3. お供え物ができる
仏壇式納骨堂では、仏壇の前にお供え物を置くスペースが設けられているため、故人が好きだった食べ物や花などを供えることができます。これにより、故人への思いをしっかりと伝えることができ、参拝者の心も満たされます。
4. 位牌を置くことができる
位牌をまとめて置けることも仏壇式の大きなメリットです。家庭に仏壇がない場合でも、仏壇式納骨堂に位牌を置くことで、供養がしやすくなります。
5. 管理の手間が不要
納骨堂は屋内にあるため、外のお墓のように風雨で汚れることがなく、掃除や修繕の手間もかかりません。管理者がメンテナンスを行うため、利用者はお参りに集中できます。
6. 天候に左右されずにお参りできる
納骨堂は屋内に設置されているため、天候や季節に関わらず、快適にお参りができます。猛暑や寒波、大雨の日でも問題なく供養できるのは大きなメリットです。
7. 交通の便が良い
納骨堂は都市部にあることが多く、交通の便が良いため、参拝に便利です。駅からも徒歩圏内の場所が多く、家族や親族が集まりやすいというメリットもあります。
仏壇式納骨堂のデメリット
一方で、仏壇式納骨堂にはいくつかのデメリットもあります。
1. 費用が高い
仏壇式納骨堂は他の形式と比べて費用が高く、100万〜200万円程度かかることが一般的です。また、場合によっては一般墓と同じくらいの費用がかかることもあります。費用面を重視する方にはデメリットとなるでしょう。
2. 宗派が限定される場合がある
仏壇式納骨堂では、宗派を限定している場合があります。多くの納骨堂は宗派不問ですが、仏壇式は寺院墓地と同様に宗教や宗派に制限があることがあるため、確認が必要です。
3. 仏壇が自宅外にあることに抵抗がある場合も
自宅に仏壇を置いて故人を偲びたいという人にとっては、仏壇式納骨堂が自宅外にあることに違和感を覚える場合もあります。また、仏壇式納骨堂に仏壇があると、毎日のお参りが難しくなる可能性があります。
4. 自由なお墓参りができない場合がある
納骨堂は建物内にあるため、開館時間が設けられており、早朝や深夜にお参りすることはできません。時間が限定されている点はデメリットとなります。
仏壇式納骨堂が向いている人は?
仏壇式納骨堂が向いている人の特徴を以下にまとめます。
- 家に仏壇を置くスペースがない人:マンションやアパートに住んでいて仏壇を置く場所がない場合、仏壇式納骨堂は有効な選択肢です。
- 家族全員を一緒に供養したい人:仏壇式納骨堂はスペースが広いため、家族全員を一つの場所で供養したい場合に最適です。
- 故人の好きなものを供えたい人:お供え物ができるため、故人の好きなものを供養したい人には向いています。
まとめ
仏壇式納骨堂は、一般的な納骨堂に比べて供養の自由度が高く、家族全員で利用できるため、伝統的なお墓に代わる選択肢として人気が高まっています。費用が高めである一方で、管理の手間が少なく、家族に負担をかけずに供養ができるのも大きなメリットです。終活を進める中で、自分や家族に合った供養方法として、仏壇式納骨堂を検討することは有意義です。