公開日:2025年03月01日
更新日:2025年02月28日
「合祀されるのが不安…」樹木葬でも個別供養できる方法とは?
はじめに
近年、自然に還る供養方法として「樹木葬」を選ぶ人が増えています。しかし、多くの樹木葬では遺骨が他の人と一緒に埋葬される「合祀(ごうし)」の形式が一般的で、「家族だけで供養を続けたい」「遺骨を個別に安置したい」と考えている方にとっては、合祀に抵抗を感じることもあるでしょう。
実は、樹木葬の中にも「個別納骨」の選択肢があります。一定期間は個別に遺骨を安置し、その後に合祀する方法や、半永久的に個別で供養を続けられる方法もあります。本記事では、樹木葬における個別供養の選択肢や、合祀されるまでの期間、個別供養を選ぶメリット・デメリットについて詳しく解説します。後悔のない選択をするために、ぜひ参考にしてください。
1. そもそも永代供養とは?
樹木葬は、基本的に「永代供養」の形をとっています。永代供養とは、お墓の管理や供養をお寺や霊園が代行してくれる供養方法のことです。近年は、お墓を継ぐ人がいない家庭が増えたこともあり、一般のお墓に比べて管理の負担が少ない永代供養を選ぶ人が増えています。
一般的な墓石を建てるお墓とは異なり、永代供養では子孫が管理を続ける必要がなく、費用も比較的抑えられるのが特徴です。そのため、身寄りのない方や、将来的に墓守がいなくなる可能性がある方にも選ばれています。
2. 個別納骨の永代供養とは?
永代供養にはさまざまな種類があり、「個別納骨」と呼ばれる方法もあります。これは、一定期間は個別のスペースに遺骨を安置し、その後に合祀される形式です。
個別納骨の特徴
個別納骨では、まず一定期間、他の人と混ぜずに個別のスペースで安置されます。期間が過ぎると、合祀墓(他の人と一緒の場所)に移されるのが一般的です。
- 個別納骨の期間:霊園やお寺によって異なり、3回忌、7回忌、33回忌などがある
- その後の流れ:期間終了後は合祀墓に移される
- 費用:合祀納骨より高額だが、一定期間個別供養できる
「一定期間は個別で供養を続けたい」「家族でしっかりと弔いたい」という方には、個別納骨が適した選択肢となるでしょう。
3. 個別納骨の永代供養を選ぶメリット
初期費用に管理費が含まれている
一般的なお墓を建てると、毎年の管理費がかかりますが、永代供養の場合は最初の契約時に管理費が含まれていることがほとんどです。そのため、継承者に負担をかけずに済みます。
継承者がいなくなっても無縁墓にならない
通常のお墓では、継承者がいなくなると「無縁墓」となり、撤去される可能性があります。しかし、永代供養の場合は、お寺や霊園が管理を続けるため、無縁墓の心配がありません。
個別にお墓参りができる
個別納骨では、一定期間、特定の場所で供養ができるため、合祀納骨のように「どこに遺骨があるのかわからない」という心配がありません。
遺族の代わりに住職が供養してくれる
永代供養では、定期的に住職が読経を行い、供養を続けてくれるため、遠方に住んでいる方や、高齢でお墓参りが難しい方にとっても安心です。
4. 個別納骨の永代供養を選ぶ際の注意点
個別供養の期間を過ぎると合祀される
個別納骨には、一定期間が設けられています。霊園やお寺によって異なりますが、3回忌、7回忌、33回忌などのタイミングで合祀されるため、事前に確認しておきましょう。
合祀後の遺骨の取り出しは不可
合祀された後は、遺骨を個別に取り出すことができません。もし手元供養や分骨を考えている場合は、合祀前に対応する必要があります。
費用が合祀納骨より高額
個別スペースを確保するため、合祀納骨より費用が高くなる傾向があります。相場は1人あたり20万円〜70万円程度で、合祀納骨(5万円〜30万円)に比べると割高です。
まとめ
樹木葬を考えている方の中には、「合祀されるのが不安」と感じる方も少なくありません。そのような方にとって、一定期間個別供養ができる個別納骨の永代供養は、安心できる選択肢となるでしょう。
ただし、個別納骨には期間が設けられているため、いつまで個別供養ができるのかを事前に確認しておくことが重要です。また、合祀後は遺骨を取り出せないため、分骨や手元供養を希望する場合は、合祀前に検討しておく必要があります。
永代供養の形はさまざまですが、自分や家族にとって納得のいく方法を選ぶことが大切です。樹木葬を検討している方は、個別納骨の選択肢も含め、よく比較して決めるようにしましょう。家族と話し合いながら、最適な供養の形を見つけてください。