公開日:2024年12月01日
更新日:2024年11月29日
分骨を考える際の2つのタイミングとは?メリット・デメリットと手続きの流れを解説
分骨は、故人の遺骨を複数の場所で供養するために遺骨を分けることを指します。家族や親族間で供養の考え方が異なる場合や、新しい供養の形を希望する場合に活用されることが多い選択肢です。
しかし、分骨に対して「良くないのでは?」という疑問や不安の声もあります。本記事では、分骨のタイミング、メリット・デメリット、具体的な手続きや費用について詳しく解説します。
分骨を行う2つのタイミング
分骨を行うタイミングには、大きく分けて次の2つがあります。
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火葬場で分骨する場合
火葬後に遺骨を骨壺に納める「骨上げ」のタイミングで分骨を行う方法です。この場合、火葬場で分骨証明書を発行してもらえるため、後々の手続きがスムーズになります。 -
埋葬後に分骨する場合
一度埋葬された遺骨を取り出して分骨する方法です。この場合、墓地管理者や石材業者への依頼が必要となり、費用や手間がかかります。
それぞれのタイミングについて、具体的な手続きや注意点を以下で詳しく説明します。
火葬場で分骨する場合
火葬場で分骨を行うのは、最もスムーズで手続きも簡単です。火葬場で分骨証明書を発行してもらえるため、埋葬先での手続きがしやすくなります。
手続きの流れ
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骨壺の準備
分骨する数だけ骨壺を用意します。火葬場で購入できる場合もあります。 -
分骨証明書の発行
火葬場で分骨証明書を発行してもらいます。これは、遺骨を埋葬する際に必要となる重要な書類です。 -
骨上げで遺骨を分ける
焼骨の際に、準備した骨壺に遺骨を分けます。
費用の目安
- 骨壺代:2,000~10,000円程度(材質やデザインによる)
- 分骨証明書発行費用:約300円
埋葬後に分骨する場合
一度埋葬された遺骨を分骨するのは、火葬場で行う場合よりも手間と費用がかかります。しかし、墓じまいや供養方法の変更に伴い、埋葬後の分骨が選ばれることもあります。
手続きの流れ
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墓地管理者への相談
分骨を希望する旨を墓地管理者に伝え、分骨証明書の発行やスケジュールの調整を依頼します。 -
石材業者への依頼
お墓を開けて遺骨を取り出す作業は、石材業者に依頼します。 -
分骨証明書の発行
墓地管理者から分骨証明書を発行してもらいます。 -
遺骨の取り出しと分ける作業
取り出した遺骨を準備した骨壺に分けます。
費用の目安
- 骨壺代:2,000~10,000円程度
- 墓石の移動費用:20,000~30,000円程度
- 分骨証明書発行費用:約300円
- 閉眼供養(必要に応じて):10,000~30,000円程度
分骨のメリットとデメリット
メリット
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複数の供養方法を選択できる
分骨により、手元供養や散骨など、新しい供養の形を取り入れることが可能です。 -
遠方に住む親族も供養できる
遺族が遠方に住んでいても、それぞれが供養できる環境を整えられます。 -
遺族間の意見の違いを解消できる
遺骨を分けることで、遺族間で異なる供養の希望を叶えることができます。
デメリット
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遺骨が分散する
遺骨が複数の場所に分かれるため、管理や供養が複雑になることがあります。 -
費用や手間がかかる
特に埋葬後の分骨は、手続きや費用が発生するため負担が増えます。 -
宗教的な違和感を持つ場合も
分骨に抵抗感を覚える人もいるため、家族や親族間で合意が必要です。
分骨を選ぶ際の注意点
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家族や親族と相談する
分骨は個人の判断だけでなく、遺族全員で話し合い、合意を得ることが大切です。 -
分骨証明書を必ず取得する
火葬場や墓地管理者で分骨証明書を発行してもらい、失くさないように保管してください。 -
分骨後の供養方法を明確にする
手元供養や散骨など、分骨した遺骨をどのように供養するかをあらかじめ計画しておきましょう。
まとめ
分骨は、家族や親族がそれぞれの場所で供養するための柔軟な方法として注目されています。特に火葬場での分骨は手続きが簡単で費用も抑えられますが、埋葬後の分骨は手間や費用が増えるため、早めの検討が重要です。
分骨には、新しい供養の形を取り入れるなどのメリットがありますが、遺骨が分散することで違和感を覚える場合もあるため、事前に家族と相談し、適切な手続きを進めることが大切です。現代では形式に縛られず、心の供養を重視する人が増えており、分骨は遺族にとって多様な選択肢を提供する手段と言えます。