q17

よくあるご質問

一覧に戻る

樹木葬とは?費用や特徴などわかりやすく解説します。

写真あり!樹木葬の特徴と流れ、あなたに合うか確認する5つのポイント

「耳にすることが増えた樹木葬ってどんな埋葬方法なんだろうか?」
「どんな人が樹木葬を選んでいて、手続きはどんな流れで進むの?」

近年、生き方のみならず、埋葬方法にも「自分らしさ」を求める人が増えています。そのような状況の中でとり挙げられる機会が増えたのが「樹木葬」です。

樹木葬とは、墓石ではなく草花や樹木を墓標とする埋葬方法ですが、具体的な霊園の状態や手続きの流れは未だよく知られていません。そこで、今回の記事では、樹木葬を解説していきます。記事中番では、実際の画像とともに樹木葬が行われている霊園を紹介するので、埋葬後の姿をイメージすることができます。

この記事を読むことで、費用や手続きを含めて樹木葬の全体像を知ることができ、あなたらしさを表現する埋葬方法を選ぶことができるでしょう。

 

 

樹木葬では、墓石の代わりに樹木が目印になる

 

はじめに樹木葬の特徴について解説します。樹木葬については、漠然と「自然に還ることのできる埋葬方法」というイメージを持たれていることも多いですが、一般的な埋葬方法との大きな違いは以下の2点です。

・墓石ではなく、草花・樹木を墓標として利用する
・永代供養となっていることが多い

以下では、それぞれについて解説していきます。

樹木の種類は様々、草花も選べる

 

樹木葬はその名のとおり、樹木を墓標として利用します。そのため山や海に遺骨をまいて自然に還す自然葬ではありません。墓標を利用することからも、樹木葬はあくまでお墓を作って故人を弔う埋葬方法なのです。つまり、従来のお墓に使われていた墓石ではなく、樹木を利用したお墓を作るというイメージです。

 

そのため樹木葬については、1本の樹木の真下に遺骨を埋葬するというイメージを持つことが多いでしょう。しかし、必ずしも1人1本の樹木を利用する形で遺骨を埋めるわけではありません。

霊園によっては、中心に1本の大きな樹木があり、その周辺に遺骨を埋葬していくものもあります。一方でイメージどおりに、1人の遺骨を埋葬する度に、その上に新しい苗木を植えていくものもあります。

 

さらに1人分の遺骨に対して個別スペースが用意される場合もあれば、複数人の遺骨をまとめて合祀の形で埋葬する場合もあります。そして墓標については、1本の樹木のみならず、草花、芝生など様々なものから選ぶことができます。

 

このように一口に樹木葬といっても、共通するのは「自然のもとで眠る」という点のみであり、具体的な埋葬方法は様々です。つまり、よりあなたらしい埋葬を実現することができるのです。

樹木葬には、埋葬場所との関係で以下の2つのタイプがあります。

・霊園タイプ
・里山タイプ

どちらが、よりあなたに向いているかしっかり確認してみてください。

 

霊園タイプ

霊園タイプの樹木葬は、緑の多い公園のように整地された場所に遺骨を埋葬するものです。そのため霊園ごとに様々な雰囲気を持っています。和風の樹木で雰囲気を統一した落ち着いた霊園もあれば、華やかな草花を多用した西洋ガーデン風の霊園もあります。

また霊園が作られる場所は、都市部からもアクセスの良い地域であることが多くなります。つまり霊園タイプとは、一般的な墓地を緑あふれるものにし、墓標を墓石から樹木にかえたものなのです。

ただし、アクセスの良い地域に霊園を維持する必要があるため、永代供養費用や管理費用が高くなる傾向があります。

 

里山タイプ

霊園タイプが緑は多いものの人工的な雰囲気を持つのに対して、里山タイプはより自然に近しい環境に遺骨が埋葬されます。それこそ整地は必要最小限となり、自然に育った樹林の中で眠ることになるのです。

また里山タイプでは、遺骨を自然に還しつつ新たな緑を植えていくため自然環境に対して、より優しいものとなります。立地については、広大な樹林を必要とすることから必ずしもアクセスの良い場所に埋葬されるとは限りません。

その分、永代供養費用や管理費用は低くなる傾向があります。このように里山タイプは、山への散骨のような自然葬に限りなく近い樹木葬となっています。

永代供養が多い

 

墓石を利用した一般的なお墓が親から子へと受け継がれて管理されていくのに対して、樹木葬の多くは永代供養となっています。つまり一般的なお墓はそこに眠る人の親族が管理しますが、樹木葬の場合は霊園や里山の運営者が管理してくれるのです。

 

費用については後述しますが、一般的に樹木葬は初期費用を支払って、その後の管理費の支払いは必要ない場合が多くなっています。そのため樹木葬は子孫や親族への負担の少ない埋葬方法ということができます。それこそ跡継ぎがいない場合であっても安心することができます。

 

ただし、昨今は一般的な埋葬方法であっても永代供養のできるところも増えてきています。そのため「跡継ぎがいない=樹木葬を選ぶべき」という図式は必ずしも成り立ちません。樹木葬を選択する際は、やはり自然の樹木のもとに眠ることがあなたにとって相応しいか否かという価値観の面から、第一に検討をする必要があります。

 

樹木葬は「自分のためのお墓」として選ばれる

樹木葬の大まかな特徴がわかったところで、ここからは、実際に樹木葬を選ぶのはどのような人なのかを確認していきましょう。樹木葬のメリットの1つに後述する初期費用の安さがありますが、こういったコストの面における条件は選択の決め手とならないことが多いのです。

自然の中で眠りたいという想い

樹木葬を選ぶ多くの人に共通するものは「冷たい印象の墓石の中ではなく、太陽の光を浴びて育ち続ける自然の中で眠りたい」という想いです。墓石を利用したお墓がどことなく冷たく、厳格な雰囲気を持つのに対して、樹木葬は自然で明るく、自由な印象を持てます。

 

このような「死後に眠る場所」に対する価値観が、樹木葬を選ぶ際の強い基準となります。もちろん先祖代々のお墓の中で眠りたいと考える人も少なくありませんが、多様性に関する意識が強まる中で、お墓とは別の温かみのある場所で眠りたいと考える人が増えてきているのです。

 

また樹木葬の中には、骨壺を使わずに遺骨を土に埋めるものもあります。つまり、散骨ではないものの骨を土に還すことができるのです。こういった輪廻転生に通ずる要素も、樹木葬が選ばれる理由となります。

代々続く家族のお墓ではなく、自分のお墓で眠りたい

「代々の先祖が眠るお墓ではなく、私たちだけの場所が欲しい」という想いから樹木葬を選択する人もいます。それこそ樹木葬の中には、夫婦2人で眠ることができるものもあるのです。

ここにもやはり価値観の多様化が関係しています。現代においては、お墓を「家系」単位ではなく、「個人」単位で持ちたいと考えている人が増えてきているのです。

 

また樹木葬の中には、ペットと共に入ることができるものもあります。「夫婦2人だけで自然に還りたい」「大好きなペットと共に眠りたい」、こういった現代人の価値観が樹木葬のニーズに繋がっているのです。

子や孫に負担をかけたくない

記事の前半で樹木葬の多くは永代供養であると述べました。こういった子や子孫に負担をかけないという側面も樹木葬が選ばれる理由の1つです。そもそも現代においては、少子化からお墓の継承者がどんどん少なくなっており、永代供養が選ばれるようになったのは必然と言えるかもしれません。

 

ここでお金や後世への負担という話題が出たので、次は樹木葬にかかる費用についてみてみましょう。費用を理由として樹木葬が選ばれることは少ないと述べましたが、やはり費用体系については頭に入れておくべきです。

樹木葬の費用

樹木葬は一般的に墓石を利用した一般的な埋葬よりも安価な傾向があります。とはいいましても、合祀なのか個別埋葬なのかによっても具体的な費用は変わってきます。ここでは、そんな樹木葬の費用面についてみていきましょう。

樹木葬費用の相場

樹木葬の一般的な相場は以下のとおりです。

・20万円~80万円/1人
・管理費:0円の場合が多い

幅があるのは、後述する要素により費用が大きく変わるためです。管理費については、永代供養であることから不要となっている場合が多くなります。ただし、霊園によっては年間の管理費をとるものもあるため、事前に確認が必要です。

また霊園によっては、石板に名前を彫るオプションを用意しているところもあります。あなたの好みに従って、適切なプランを選択していきましょう。

相場に幅がある理由

樹木葬の価格に幅があるのは、合祀(ごうし)、共同墓地もしくは個別埋葬のどれを選ぶかによる違いが大きくなっています。そして、具体的な埋葬方法の違いは以下のとおりです。

 

埋葬方法

特徴

合祀 遺骨を他人の遺骨とともに一か所にまとめて埋葬するタイプ。最も安い。
共同埋葬 遺骨を一つひとつの骨壺におさめながら、一か所にまとめて埋葬するタイプ。
個別埋葬 骨壺一つに対して一か所のスペースを設けるタイプ。最も高い。

 
 このように個別埋葬は一般的な埋葬方法に最も近い形の樹木葬となります。それこそ墓石の代わりに樹木が墓標として利用されているものとしてイメージして問題ありません。一方で、合祀と共同埋葬は一人ひとりに個別スペースが割り当てられないため、後ほど遺骨や骨壺を取り出すのが難しい場合があります。

 

特に合祀の場合は遺骨そのものを他人の遺骨と混ぜてしまうため、後から一人の遺骨のみを取り出すことはできなくなります。

墓石埋葬よりは費用は控えめ

上述した樹木葬と比較して、墓石を利用した一般的な埋葬の価格は以下のとおりです。

・永代使用料:30万円~50万円
・墓石費用:100万円~200万円
・管理費用:およそ1万円/1年

永代使用は永代供養と字面が似ていますが、意味するところは大きく違います。前述したとおり、永代供養は霊園がお墓を永代にわたって供養するもので、初めにかかる費用に管理費が含まれている場合があります。これに対して、永代使用とは墓地や霊園の土地を永代にわたって借りて使用することを指します。そのため永代使用の場合は他に管理費が必要となることが多いのです。

 

また樹木と違って、墓石を購入するための費用も大きくなります。墓石の種類は実に豊富であり、国産と外国産に大別することができます。例えば、世界的に有名な香川県産の庵治石(あじいし)などの銘柄のある石は当然高価です。

このように墓石を利用した一般的なお墓は樹木葬よりも費用がかかる傾向があります。価格だけで埋葬方法を決定することは避けるべきですが、一つの判断要素として費用面についても検討してみましょう。

樹木葬の流れ

樹木葬の費用面が理解できたところで、続いて樹木葬の流れについてみていきます。樹木葬は昨今でこそ人気が高まってきていますが、どのような流れで進むかは未だ広く知られていません。流れを確認することで、樹木葬についてより詳細なイメージを持つことができます。

はじめに全ての流れを確認してみましょう。樹木葬の流れは、「あなたが行う手順」と「あなたの死亡後の手順」に大きく分かれます。以下を確認してみてください。

【あなたが行う手順】
1.下調べ
2.現地見学
3.契約&支払い
4.使用許可証の交付

【死亡後の手順】
5.死亡届&火葬許可証
6.火葬
7.管理者が樹木葬で埋葬

以下ではそれぞれの流れについて解説していきます。

ステップ1:下調べ

「樹木葬について検討したい」と考えた場合、第一の情報収集源となるのはインターネットです。また墓石や墓地の案内を行っている石材店であれば、樹木葬についての案内を聞くこともできます。実際のパンフレットを手早く集めたいと考える場合、石材店を訪れるのがおすすめです。

下調べの工程は非常に大切で、ここで多くの情報を集めるとよりあなたに適した樹木葬を選ぶことができるようになります。霊園の雰囲気やタイプも様々なであるため幅広い情報を集めていきましょう。

ステップ2:現地見学

下調べが進むと、あなたが興味を持つ具体的な霊園が表れてくるでしょう。そのため、ステップ2では実際に霊園に足を運んで現地見学を行っていきます。それこそ実際の霊園の雰囲気がパンフレットのものと違う場合も少なくないため、現地見学は必須となります。

見学の際ははじめに霊園に予約をする必要があります。こちらは電話でもメールでも構いません。その上で、当日は以下の要素をチェックしていきましょう。

・霊園の雰囲気
・選べる樹木の種類
・合祀、共同埋葬、個別埋葬のタイプ
・周辺環境
・アクセス

この中でもアクセスは意外と重要です。樹木葬は自然葬に近しい性格を持ちますが、遺族は供養や参拝を大切にします。もちろん遺族の参拝に関する事情をあなたの好みに優先させる必要はありませんが、余裕があればアクセスについても検討してみましょう。また夫婦で同じ場所に眠ることを前提とするならば、やはり片方が遺された場合のアクセスが重要となります。

ステップ3:契約&支払い

気になる霊園の現地見学を繰り返し、「ここにしたい」という場所が見つかったら契約に進みます。前述したとおり、樹木葬の多くは永代供養のかたちをとっているため、契約時に全ての支払いが完了することが多くなります。

ただし中には、契約時からあなたが亡くなるまで霊園の管理費が必要となるものもあります。契約時に必要な金額と管理費については事前に確認しておきましょう。また樹木葬の支払い時はまとまったお金が必要となる場合が多いため、支払い方法も霊園に確認しておく必要があります。昨今は振込のみならずクレジットカード払いに対応している霊園も増えています。

ステップ4:使用許可証の交付

ステップ4では、入金後の使用許可書を受け取ります。こちらは入金が済んだ時点で、直接受け渡しもしくは郵送により受け取ることができます。使用許可証は「樹木葬を行うための許可証」です。樹木葬に際しては、一般的に以下の2つの許可証が必要となります。 

 

名称  内容
火葬許可証 遺体を火葬および埋葬するために法律上必要とされる書類
使用許可証 契約が完了し、特定の霊園での樹木葬が認められていることを示す書類

 

火葬許可証を受け取るタイミングについては、あなたが死亡後に行われる次のステップ5で解説していきます。つまりステップ4までで生前の手続きが完了となります。使用許可証は大切に保管しておき、遺族に保管場所を伝えておきましょう。

ステップ5:死亡届&火葬許可書

ここからはあなたが亡くなった後の手続きとなります。つまり遺族の方が行うものです。樹木葬は必ずしも一般的な埋葬方法ではないため、死亡後の手続きは遺族と共有しておく必要があります。そうすることで悲しみに暮れる状態での無用な混乱を避けることができるのです。

あなたが死亡した後、遺族は市区町村に死亡届を提出します。死亡届は医師から受領する死亡診断書とセットになって交付されることが多いですが、そうでない場合は市区町村役場の戸籍係で受け取ることができます。

 

注意すべき点としては、死亡届の提出期限についてです。こちらは「死亡の事実を知った日から7日以内に提出」する必要があります。そして火葬許可申請書を提出して、火葬許可証を受け取ることになります。

ステップ6:火葬

ステップ6では市区町村の火葬場で遺体の火葬を行います。樹木葬であっても、火葬の間には精進落としの席を設けられ遺族同士の交流が図られることが多くなります。そして火葬後は骨を拾い、骨壺に納めます。ステップ5からステップ6については、誰もがイメージする一般的な葬儀と同様の手続きとなりますね。

ステップ7:管理者が樹木葬で埋葬

最後にステップ7では遺骨を樹木葬のかたちで埋葬していきます。前述したとおり合祀の場合は骨壺から遺骨を取り出し、他の人のものと混ぜて埋葬していくことになります。埋葬時に法事を行うこともできるため、その場合は霊園に連絡しておきましょう。

 

これで樹木葬の手続きは完了となります。樹木葬といえども、多くの工程は一般的な埋葬とそれほど変わりません。そのため遺族の混乱を招くことなく、あなたの望む眠り方を実現することができます。

樹木葬を行う際の5つの注意点

画像で樹木葬について確認してましたが、ぐっとイメージが湧いてきたのではないでしょうか。記事の前半で述べたように樹木葬は「冷たい印象の墓石の中ではなく、太陽の光を浴びて育ち続ける自然の中で眠りたい」という想いに応えることができるものなのです。

 

記事も後半にさしかかってきましたが、ここでは樹木葬を行う際の注意点を確認していきます。自由で開放的な雰囲気の樹木葬ですが、一般的な埋葬方法ではないため事前におさえておくべき以下の5つの注意点が存在するのです。

・親族に事前に説明しておこう
・樹木周辺を自分でコーディネートすることはできない
・樹木は時とともに変化する
・埋葬後に遺骨を取り出すことができない場合もある
・子や孫に承継されない

それぞれについて詳しくみていきましょう。

親族に事前に説明しておこう

繰り返しになりますが、樹木葬は必ずしも一般的な埋葬方法ではありません。そのため親族の中には樹木葬に反対する声が生まれる場合があります。もちろんあなたの埋葬方法なのですから、あなたが選ぶことに問題はありません。反対する親族がいるとしても、その声によってあなたの自由な意思を曲げる必要はありません。

しかし事前に親族に対して簡単に話をしておくことで、反対の声を和らげることは可能です。なぜ樹木葬を選んだのかという理由まで説明しておくと、多くの人から理解を得ることができるでしょう。

樹木周辺を自分でコーディネートすることはできない

樹木葬は、霊園を選ぶことであなたに合った雰囲気の埋葬を選択することができます。しかし契約後であっても霊園内であなたの好きな樹木を自由に植えることはできない場合が多くなります。あくまで霊園が提示するプランに従って樹木葬を行うのです。

「私のお墓には桜の木を植えてほしい」と考えているのならば、はじめから桜の木を使った樹木葬ができる霊園を選ぶ必要があります。

樹木は時とともに変化する

また当然ながら、植えられた樹木は時の経過とともに変化していきます。そのため霊園を選ぶ際は、埋葬時の雰囲気のみならず十数年経過後の雰囲気まで確認することをおすすめします。もちろんあなたの死後のことなので変化を気にならないという場合も多いでしょうが、「自分に合ったお墓」を追求していくのであれば、やはり時間が経った後の姿も知っておきたいものです。

 

十数年後も美しく整地されたものを望むのであれば、敢えて管理費用の必要となる霊園を選択するのも良いでしょう。

埋葬後に遺骨を取り出すことができない場合もある

記事の中で何度か触れましたが、合祀および共同埋葬型の樹木葬の中には後から遺骨を取り出すことができないものもあります。特に合祀の場合は、あなたの遺骨を他の人のものを完全に混ぜてしまうため、後からの取り出しは不可能になります。

 

後になって遺族がお墓を変えたいと思っても、合祀の場合はそれができないのです。樹木葬を選択する際は、こういった点も親族に伝えておく必要があるでしょう。ただし遺骨を骨壺に納める個別埋葬であれば、後から取り出すこともできます。

子や孫に承継されない

樹木葬の多くは永代供養であり、親から子へとお墓が継承されません。そういった意味において、樹木葬はあくまで一代ごとに選ばれるお墓なのです。この点も親族に伝えておく必要があります。

 

一般的なお墓と樹木葬の大きな違いですね。またあなたがすでに先祖代々のお墓を所有している場合は、それを後に残すか、それとも墓じまいをするかまで検討していきましょう。

あなたに合った樹木葬を選ぶ5つのポイント

さて、さいごにここではあなたに合った樹木葬を選ぶ5つのポイントを紹介します。ここまで見てきたように一口に樹木葬といっても、具体的な雰囲気は霊園ごとに大きく異なります。「自分に合ったお墓」を選ぶためには、細かな点まで含めて検討する必要があります。

自分が眠る場所として樹木葬は本当に適切か?

1つ目のポイントとしては、そもそも「あなたにとって樹木葬は本当に適切か」ということです。昨今は樹木葬が一つの流行りとなっていますが、そういった流行に踊らされずに真の意味であなたに合った埋葬方法かを検討する必要があるでしょう。

里山タイプなどは参拝のアクセスが悪くなる傾向もあるため、遺された人の利便性にどこまで配慮するかはあなたの判断となります。様々な霊園の現地見学を通して、樹木葬の実態を知り、あなたに合ったものを選びましょう。

お墓の場所

先ほどのアクセスの話とも共通しますが、お墓のある場所は重要になります。それは「あなたの眠る場所」であり、「遺された人が参拝しに来る場所」であるためです。

 

あなたの思い出の場所に眠るか、遺族の利便性に配慮するかは難しい問題ですので、じっくりと考えてみてください。昨今は都会であっても樹木葬のできる施設が増えてきているため、今後、選択肢は広がっていくことが予想されます。

埋葬形式

こちらも記事の中で繰り返しましたが、合祀・共同埋葬・個別埋葬のどのタイプを選ぶかは樹木葬を選ぶうえで重要です。個別埋葬は一般的なお墓と参拝の方法も近しくなるため遺族の混乱も小さくて済むでしょう。

合祀は価格が低くなるメリットがある反面、参拝は共同スペースに対して行うことになるため漠然とした印象となります。

樹木の種類

選ぶことのできる樹木の種類については霊園ごとに限りがありますが、裏を返すと霊園を選択することで幅広い樹木・草花を選択することができます。好きな樹木や花がある場合は、それを植えることのできる霊園を選択すると良いですね。

せっかく樹木葬を選ぶのですから、草木に至るまでこだわっていきたいところです。植物の種類はパンフレットで確認することもできますが、実際に霊園を訪れてチェックするのが最も確実になります。

永代供養か承継可能か

樹木葬の大半は永代供養となりますが、中には子や子孫が承継可能なものもあります。この点も、樹木葬を選ぶ際はよく確認しておきましょう。また、あわせて管理費用についても確認しておくと万全です。

特に管理費用がかかる場合は、親族に内容を説明しておく必要があります。そうすることで、後になって親族が揉めることを回避することができるのですね。

このように樹木葬は選択肢が広い分、あなたに合ったものを選ぶために細かい検討が必要となります。ゆっくりと時間をかけて選んでみてください。

 

まとめ

今回は樹木葬について解説してきました。近年になって注目を集める埋葬方法ですが、あなたに合ったお墓を選ぶ際の判断要素を得ることができたでしょうか。

以下は今回の記事のポイントです。

・樹木葬は永代供養が多く、合祀・共同埋葬・個別埋葬から選べる
・従来の冷たい墓石とは違う、自分に合った明るいお墓で眠りたいという気持ちが樹木葬を選ばせる
・樹木葬の費用相場は1人あたり20万円~80万円
・現地見学で実際の雰囲気を細かく確認し、あなたに合った樹木葬を選ぼう
・親族には事前に樹木葬を希望している旨を説明しておくのがおすすめ

樹木葬はあなたの望む眠り方を実現する懐の深さを持っています。そのため細かな条件まで含めて、じっくりと霊園を選んでみてください。そうすることで、あなたらしい眠り方を実現することができます。

そのほかの「よくある質問」はこちら