公開日:2025年11月05日
更新日:2025年11月05日
開眼供養・閉眼供養のお布施はいくら包む?封筒の書き方、渡し方も解説
お墓を新しく建てた時や、反対に墓じまいをする時に必要となる「開眼供養(かいげんくよう)」と「閉眼供養(へいがんくよう)」。
いざ準備を始めると、「お布施はいくら包めばいいの?」「封筒の書き方に決まりはある?」といった、普段馴染みのない作法に戸惑う方も多いのではないでしょうか。
この記事を読めば、開眼供養・閉眼供養におけるお布施の金額相場から、封筒の準備、当日の失礼のない渡し方まで、すべてを分かりやすく理解できます。安心して大切な法要の準備を進めましょう。

そもそも開眼供養・閉眼供養とは?意味と目的の違い
まず、二つの供養の基本的な意味を知っておきましょう。
開眼供養とは
新しく建てたお墓や購入した仏壇は、まだ魂が宿っておらず、ただの「物」の状態です。そこに僧侶の読経によって仏様の魂を宿らせ、手を合わせる礼拝の対象とするための大切な法要が「開眼供養」です。 地域によっては「入魂式(にゅうこんしき)」「魂入れ(たましいいれ)」とも呼ばれます。
閉眼供養とは
墓じまいや改葬(お墓の引越し)の際には、お墓に宿っていた魂を抜き、墓石を「ただの石」に戻すための法要を行います。
これが「閉眼供養」です。仏様の魂が抜けた状態にすることで、墓石の移動や撤去作業を問題なく行えるようにする、という意味合いがあります。こちらは「魂抜き(たましいぬき)」「お性根抜き(おしょうねぬき)」とも呼ばれます。
【金額の目安】開眼供養・閉眼供養のお布施相場
供養ごとのお布施金額の目安一覧
| 供養の種類 | お布施の目安金額 | 備考 |
| 開眼供養 | 30,000~50,000円 | 新規でお墓を建てた場合など |
| 閉眼供養 | 30,000~50,000円 | 墓じまい・改葬などの際 |
| 同日に行う場合 | 50,000~100,000円 | それぞれのお布施を合算した額が目安 |
※お寺との関係性や地域によって金額は変動します。
【要注意】お布施以外に「お車代」「御膳料」も準備
状況に応じて、お布施とは別に以下の費用を準備します。
・お車代(5,000〜10,000円)
僧侶にご自身の寺院から霊園などの現地へ出向いていただく場合に、交通費としてお渡しします。
・御膳料(5,000〜10,000円)
法要後に会食の席を設けたものの、僧侶が参加を辞退された場合に、食事代としてお渡しします。
これらは別の封筒にそれぞれ「お車代」「御膳料」と表書きをして用意し、お布施と一緒にお渡しするのがマナーです。
【図解で解説】お布施袋の選び方・書き方・お金の入れ方
① 封筒の選び方
何も印刷されていない郵便番号欄のない白い封筒が基本です。水引を使う場合は、黒白か双銀の結び切りのものを選びましょう。お祝い事で使う紅白の水引は絶対にNGです。
② 表書きの書き方
濃い墨の筆ペンか毛筆で、丁寧に書きます。
・上段:水引の上中央に「御布施」と書くのが最も一般的です。「開眼供養御布施」のように書いても構いません。
・下段:水引の下中央に、施主(代表者)の氏名をフルネームで書きます。
③ 中袋の書き方とお金の入れ方
中袋がある場合は、そちらにも記入します。
・中袋の表:中央に金額を旧漢字で書きます。(例:金参萬圓、金五萬圓)
・中袋の裏:左下に住所と氏名を書きます。
・お金の入れ方:お札の肖像画(福沢諭吉の顔)が封筒の表側・上部に来るように揃えて入れます。新札は避けるのがマナーとされていますが、もし新札しか手元になければ、一度軽く折り目を付けてから入れると良いでしょう。
いつ、どう渡す?お布施を渡すタイミングと当日の作法
渡すタイミングは「法要の後」が基本
法要が無事に終わった後、僧侶が着替えなどを終えて帰られる際に、控室などで感謝の言葉とともにお渡しするのが最も丁寧で一般的です。
失礼のない渡し方のマナー
お布施は、感謝の気持ちを伝える大切なものです。以下の作法を心がけましょう。
1.必ず袱紗(ふくさ)に包んで持参します。祝儀袋を裸のままカバンやポケットから出すのはマナー違反です。
2.渡す際は、僧侶の目の前で袱紗からお布施袋を取り出し、袱紗を畳んだものの上に乗せます。
3.相手から見て文字が読める向きにして、両手で「本日は心のこもったお勤め、誠にありがとうございました。どうぞお納めください」と一言添えて差し出します。
開眼供養・閉眼供養に関するよくある質問
Q1. お布施の金額をお寺に直接聞いてもいいですか?
A. はい、失礼にはあたりません。聞きづらい場合は、「皆様、おいくらくらいお包みされていますでしょうか?」と尋ねる形にすれば、角が立たず目安を教えていただけることが多いです。
Q2. 開眼供養と閉眼供養を同日に行う場合、お布施はまとめてもいい?
A. 本来は別々の法要なので、2つの袋に分けて用意するのが最も丁寧な形です。もし1つの封筒にまとめる場合は、表書きを「開眼閉眼供養御布施」とし、金額もきちんと合算した額を包むようにしましょう。
Q3. 永代供養墓や樹木葬でも開眼供養は必要ですか?
A. はい、必要です。どのようなお墓の形であっても、新しく納骨するお墓には故人の魂が宿っていません。魂入れの儀式として開眼供養を行うのが仏教における正式な流れです。
まとめ
お布施は、読経や法要をお願いした僧侶への「お礼」ではなく、ご本尊や故人への感謝の気持ちを形にしたものです。
金額の相場はあくまで目安であり、それ以上に大切なのは、心を込めて丁寧に準備し、感謝の言葉とともにお渡しする姿勢です。
もし金額や作法に迷ったときは、遠慮せずお寺や霊園のスタッフに相談してみましょう。
千年オリーブの杜 大分東では、樹木葬を通してお客様一人ひとりの不安に寄り添い、法要の流れや準備のポイントを丁寧にご案内しています。
経験豊富なスタッフが、心を込めたご供養をしっかりとサポートいたします。
