公開日:2025年09月30日
更新日:2025年09月30日
浄土真宗の永代経懇志│お金の入れ方・のし袋の書き方ガイド
永代経懇志をいざ納めようと思っても、どのように包んでお渡しするのがよいか、迷われる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、浄土真宗における永代経懇志について、お金の入れ方やのし袋の書き方・渡し方を丁寧に解説し、さらに混同しやすい”永代供養料との違い”についても整理しましょう。
永代経懇志(えいたいきょうこんし)とは
浄土真宗において永代経懇志とは、永代にわたりお経をお勤めいただくためのご懇志(寄付)を意味します。
お墓の維持管理のために納める”供養料”とは目的が異なり、仏法を支えるためのお布施と考えると分かりやすいでしょう。
永代経懇志の包み方
のし袋の書き方
のし袋は、黒白または双銀の”結び切り”の水引を選びます。
香典ではないため、濃い墨の筆ペンや毛筆で丁寧に書きましょう。
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表書き:水引の上に「永代経懇志」と書くのが最も丁寧です。(お寺によっては「御布施」でも構いません)
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名前:水引の下に、施主のフルネーム、または「〇〇家」と書きます。
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中袋:表面に旧漢字で金額(金 壱萬圓也など)、裏面に住所・氏名を書きます。
お金の準備と金額の相場
永代経懇志に包むお金は、新札ではなく折り目のあるお札を準備します。
これは「新札はお祝い事と強い結びつきがあり、法要には向いていない」「これから新しく使われるものではなく、すでにご縁をいただいたものを捧げる」という考え方からです。
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入れ方
お札の肖像画が、のし袋の表側・上に来るように向きを揃えて入れます。 -
金額の相場
金額に明確な決まりはありませんが、相場は3万円〜10万円程度とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、法要の内容やお寺・地域との関係性によって前後することもあるので、お寺や詳しい方にお尋ねすると安心です。
渡し方のマナー
懇志は、袱紗に包んで持参し、直接手渡しするのは避けます。
1. お渡しする際は、袱紗から取り出します。
2. 切手盆(小さなお盆)に乗せて差し出します。
切手盆がない場合は、袱紗を座布団のように下に敷き、その上にのし袋を置いてお渡しします。
3. 「永代経をよろしくお願いいたします」など、感謝の気持ちを簡潔に伝えます。
法要が始まる前のご挨拶の際や、法要後にお渡ししましょう。
永代経懇志と永代供養料の違い
似た言葉に「永代供養料」がありますが、意味は異なります。
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永代経懇志
永代にわたってお経をお勤めいただくためのご懇志(お布施・寄付)です。法要や仏法護持のために用いられます。 -
永代供養料
永代にわたってお墓や納骨堂を管理・供養していただくための費用(管理費用)です。施設の維持や供養の継続のために使われます。
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つまり、永代経懇志は”法要(お勤め)”へのご懇志であり、永代供養料は”お墓や納骨の供養と管理”に使われるものだといえます。
永代供養料についてより深く知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
浄土真宗の教えに基づいた永代経懇志
多くの宗派で用いられる”供養”とは、故人にお供えをして冥福を祈ることを意味します。
けれども浄土真宗では、阿弥陀如来の他力本願によってすべての人は浄土に往生できると説かれており、亡き人のために私たちが供養を施すという考え方は本来ありません。
永代経とは
ここで大切になるのが「永代経」という教えです。
永代経とは、故人の冥福を祈るためではなく、仏法が未来永劫にわたって受け継がれていくことを願って営まれる法要です。
亡き人を通じて仏さまの教えに出遇い、その尊さを次の世代へと伝えていくためのものなのです。
そのため浄土真宗では「永代供養」とは呼ばず、「永代経懇志」と表現されます。
懇志とは
浄土真宗において大切なのは、亡き人のために祈ることではなく、仏さまの教えに出遇えたことへの感謝を表すことです。
そこで「懇志」という言葉が使われます。懇志とは、仏法を支え、次の世代へと伝えていくために差し出す、感謝の心を込めた浄財のことです。
つまり、永代経懇志とは、お寺に永代にわたりお経をお勤めいただき、仏法が絶えることなく伝わっていくように願って納める真心なのです。
宗派を問わない樹木葬をご提案しています
永代経懇志は、のし袋の書き方やお金の入れ方に作法がありますが、何よりも大切なのは心を込めてお納めすることです。
千年オリーブの森 大分東では、宗派を問わず安心して利用できる樹木葬をご用意しております。
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