公開日:2025年04月01日
更新日:2025年03月30日
高齢者や遠方の方に人気。「送骨」が選ばれる理由とは?
新型コロナウイルスの影響を受け、葬儀や納骨に関する考え方やニーズが大きく変化しています。感染対策が求められる中、従来のように集まって納骨式を行うことが難しくなったことで、近年注目されているのが「送骨」という新しい供養の形です。
「送骨」とは、文字通り「遺骨を送る」ことで納骨を行う方法。ご自宅にいながら、寺院や霊園へご遺骨を配送し、納骨を代行してもらえるサービスです。感染対策だけでなく、体力的・地理的な事情から現地に行くのが難しい方にとっても、安心して利用できる選択肢として広まりつつあります。
本記事では、「送骨」の基本的な流れから注意点までを丁寧に解説します。高齢の方や遠方にお住まいの方にとって、どのようなメリットがあるのかも含め、送骨サービスを検討する際の参考にしてください。
送骨とは?新しい供養の形
送骨は、菩提寺や霊園に足を運べない方向けに始まったサービスです。特に2020年以降は、感染症対策の一環として急速に普及しました。
これまで「納骨=現地に赴く」というのが当たり前でしたが、送骨はその常識を覆し、配送サービスを活用して納骨を完了できるという新しい供養のスタイルを提供しています。オンラインでの申込みや、リモートでの納骨式中継など、現代の技術も積極的に取り入れられています。
送骨の流れ
1. 納骨先を決める
最初に決めるべきなのは、ご遺骨を納める先です。希望する菩提寺や霊園が送骨に対応しているか確認しましょう。従来のお墓に納めるのか、それとも永代供養墓を選ぶのかで手続きや費用が変わってきます。
また、納骨の時期にも注意が必要です。仏教的な慣習では四十九日を目安としますが、現代では手元供養を経て、納骨のタイミングを柔軟に選ぶケースも増えています。
2. 送骨の梱包準備
遺骨は繊細なものです。配送中の事故を防ぐため、しっかりとした梱包が必要です。専用の送骨キットが用意されている場合は、それを利用すると安心です。
骨壺の蓋がしっかり固定されているか、緩衝材で包まれているか、外箱に「ご遺骨・ワレモノ」等の表記がされているかなど、丁寧にチェックしましょう。
3. 配送と納骨
準備が整ったら、指定の寺院・霊園へご遺骨を配送します。納骨が完了すると、写真付きで報告が届くサービスも多く、遠方でも安心です。近年は納骨式の様子をオンライン中継で視聴できるプランも登場しています。
送骨のメリット
感染対策として有効
大勢が集まる納骨式を避けたいという声に応える形で、送骨は注目されています。特に高齢者が多いご遺族にとって、移動や接触のリスクを減らせるのは大きなメリットです。
遠方に住んでいても納骨が可能
都市部で暮らす子世代が、地方のお墓へ頻繁に帰省できないという問題を解決します。また、海外在住の方にとっても、送骨サービスは非常に便利です。
体力的な負担が少ない
高齢や病気などで移動が難しい方でも、自宅で納骨を完了できるため、肉体的・精神的な負担が軽減されます。
柔軟な供養スタイルが選べる
送骨は永代供養と組み合わせて利用されることが多く、後継者がいない場合でも安心して供養が可能です。また、お墓じまいと同時に送骨を行い、複数の遺骨をまとめて納めるという活用法もあります。
注意点と確認事項
送骨キットの有無
初めての方でもスムーズに手続きができるよう、送骨専用の梱包キットを用意している業者を選ぶと安心です。これには骨壺を包む布や、木箱、外箱、緩衝材などが含まれています。
複数の遺骨の送付可否
一度に複数のご遺骨を送る場合は、人数に制限がないか、費用がどのように変わるかなども事前に確認しましょう。永代供養などでは、一括で納骨できるケースもあります。
納骨後の供養体制
納骨が終わった後の供養についても確認が必要です。リモートでの法要や、命日ごとの供養、春秋彼岸やお盆の供養がどのように行われるか、納骨先の対応内容を確認しておくと安心です。
送骨サービスの広がりと今後の展望
送骨はまだ新しい供養の形ですが、その需要は年々高まっています。背景には、少子高齢化や核家族化、都市集中による遠隔地との関係性の希薄化などがあり、家族で供養を引き継ぐのが難しい社会構造が影響しています。
また、新型コロナウイルスによって、物理的に集まることのリスクが強調されたことで、より多くの人が「場所にとらわれない供養」について考えるようになりました。送骨はそうしたニーズに応えた現代的な選択肢であり、今後さらに多様なサービスが登場することが期待されています。
まとめ
ご遺骨をご自宅から送る「送骨」という方法は、単なる手段ではなく、時代の変化とともに生まれた新しい供養のかたちです。新型コロナウイルスの影響をきっかけに広がりを見せたこの仕組みは、遠方に住んでいるご家族や、高齢で移動が難しい方にとって大きな助けとなっています。
もちろん、納骨を「送る」ことに対して、はじめは抵抗や不安を感じる方も少なくありません。しかし、大切なのは形式にとらわれすぎず、故人を想う気持ちを大切にすること。送骨を選ぶことは、その気持ちを手放さずに、現代の生活に合った供養の形を模索することだといえるでしょう。
送り先となる寺院や霊園によって、対応できる内容やサービス、費用は異なります。ご家族でよく話し合いながら、ご自身にとって納得できる形を選ぶことが何より大切です。対面での納骨が叶わなくても、気持ちのこもった供養はきっと故人にも届くはずです。
新しい供養の形を受け入れながらも、故人を想う気持ちは決して変わらない——送骨は、そんな新たな時代のやさしい橋渡しになるのかもしれません。