公開日:2025年03月01日
更新日:2025年02月28日
終活で考える不動産相続の落とし穴!空き家を防ぐためのポイント3つ
はじめに
終活を進めるうえで、不動産相続は避けて通れない重要なテーマのひとつです。不動産は現金や預貯金と違い、簡単に分割や処分ができるものではなく、相続人にとって大きな負担となる可能性があります。特に、相続したものの活用の見通しが立たず、結果的に「空き家」となってしまうケースは珍しくありません。
空き家が増え続ける現代では、管理費の負担や老朽化による危険、さらには固定資産税の増額など、さまざまな問題が発生します。そこで、不動産相続をスムーズに進めるためのポイントを3つご紹介します。相続人が困らないよう、今からできる対策を考えていきましょう。
身内や親族に意見を聞く
不動産の相続方法は、受け継ぐ人によって扱い方が大きく変わります。たとえば、相続人がそのまま住むのか、取り壊して更地にするのか、あるいは売却するのかといった選択肢が考えられます。また、リフォーム・リノベーションをして賃貸に出す、法人名義にするなどの方法もあります。
家というものは、単なる財産ではなく、そこに住んでいた人の思い出が詰まっている特別な存在です。だからこそ、親族内で意見が食い違い、話がこじれる原因にもなりやすいのです。
相続人の意向を早めに確認することが重要です。もし相続人の中に住みたい人がいれば、その人が不動産を受け継ぐのが望ましいでしょう。しかし、そうでない場合、放置すれば維持費や固定資産税がかかり、結果的に負の遺産となるリスクがあります。
相続人が誰も住まないのに「せっかくの家だから…」と残すことだけを考えると、結果的に空き家問題へと発展することもあります。身内や親族と早めに話し合い、どうするのが最善かを見極めましょう。
不動産の相続人はなるべく1人に限定する
不動産を複数人で相続すれば公平になると思いがちですが、実はそれが後のトラブルの原因になることもあります。
たとえば、家を売却したいと思っても、共有名義人全員の同意が必要になります。仮に5人の相続人がいる場合、4人が売却を希望しても、1人が反対すれば売却はできません。結果として、空き家のまま維持費だけがかかることになりかねません。
さらに、共同所有の不動産は世代を超えて相続が続くと、所有者が増えすぎて管理が難しくなります。遠方に住む相続人が増えることで、売却の話をまとめるのが困難になるケースも多いのです。
不動産を1人の相続人に譲ることで、管理や売却の意思決定がスムーズになります。ただし、不動産を1人に相続させることで他の相続人との不公平感が生じることもあります。その場合は、換価分割(売却して現金化し、相続人で均等に分配)や代償分割(不動産を相続する人が、他の相続人に代償金を支払う)などの方法を検討するとよいでしょう。
相続後、空き家にさせないための対策をする
相続した不動産に住む予定がない場合、そのまま放置すると空き家になります。空き家が増加している日本では、防犯や景観の問題に加え、管理されていない空き家には固定資産税が増額されるリスクもあります。そのため、相続した不動産をどのように活用するかを事前に決めておくことが重要です。
空き家を防ぐための対策として、リフォーム・リノベーションをして賃貸に出す方法があります。古い家は借り手がつきにくいため、リフォームして市場価値を高めるのも一つの方法です。ただし、リフォームにはコストがかかるため、費用対効果を考慮する必要があります。
また、建物を解体して土地だけにすることで、売却しやすくなることもあります。土地として売却する場合、解体費用がかかるため、売却後の収支を事前にシミュレーションしておきましょう。さらに、遺産相続段階で売却し、残された身内にその金額を分け与えることも選択肢のひとつです。
まとめ
不動産の相続は、単なる財産の分配ではなく、今後の管理や活用方法を考えなければなりません。放置すると空き家になり、管理や税金の面で負担が増える可能性があります。
まず、相続人と話し合い、誰が住むのか、売却するのか、賃貸にするのかを決めることが大切です。不動産の共有はトラブルを生む原因になりやすいため、なるべく1人に相続させるのが望ましいでしょう。
相続後に空き家にならないよう、リフォームや解体を検討し、活用方法を決めておくことも重要です。終活の段階でしっかりと準備を進め、相続人に負担を残さないようにしましょう。