公開日:2024年12月01日
更新日:2024年11月29日
身元保証人なしでも入所可能!高齢者の老人ホームや病院利用のコツと注意点
核家族化や少子高齢化が進む現代の日本では、身元保証人がいないことでお困りの高齢者が増えています。一方で、老人ホームや高齢者向け住宅、病院への入所・入院時には、身元保証人が必須とされるケースがほとんどです。身元保証人がいない場合、高齢者がどのような選択肢を持つのか、そしてどのように対策を立てるべきなのかを解説します。
身元保証人がいない高齢者の現状
65歳以上の高齢世帯のうち、独居や夫婦のみの世帯が大半を占めています。独居率は38%に上り、今後も増えると予測されています。このような状況から、以下の理由で身元保証人を立てることが難しいケースが増えています。
身元保証人がいない例
- 子どもがいない、または疎遠
- 独身である
- 保証人を務められる親族が高齢化している
- 身元保証人とのトラブル
このような背景から、身元保証人がいない高齢者に対して支援を行う「身元保証会社」が増えています。しかし、身元保証会社のサービス内容や信頼性を見極めることが重要です。
身元保証人が必要な理由
入院や手術の際
病院では、入院契約や手術同意書の際に身元保証人が必要とされることが一般的です。患者が亡くなった場合、病院側は相続人を探し出して対応する必要がありますが、これには多大な手間と時間がかかります。そのため、病院側の負担軽減を目的として身元保証人が求められています。
高齢者施設への入所時
高齢者施設では、未払い料金の発生や利用者の死亡時の対応のために、身元保証人が必要です。一時金を支払う場合であっても、月々の利用料を保証する人が必要になるケースが多いです。また、最期を見据えた契約内容では、遺体の引き取りや葬儀手配の責任も求められます。
身元保証人が担う役割
身元保証人は、病院や施設における重要な役割を担います。主な内容は以下の通りです。
契約手続きの代行
入院や施設入所時の契約手続き、また手術同意書の署名代行などを行います。
費用の支払い
医療費や施設利用料の未払いが発生した場合、保証人が代わりに支払います。
緊急連絡先
病状悪化や危篤時、認知症の症状が進んで本人と連絡が取れない場合などに備え、緊急連絡先として登録されます。
身の回りのサポート
家族の代わりに、必要な日常的なサポートを行います。例えば、診察の付き添いや買い物代行などが含まれます。
死後事務手続き
死亡届の提出や葬儀の手配、納骨手続き、遺品整理などを担当します。また、未払い料金がある場合にはその対応も行います。
身元保証会社の利用
身元保証人を立てることが難しい場合、専門の「身元保証会社」を利用する方法があります。ただし、信頼性やサービス内容を見極める必要があります。
身元保証会社の料金相場
- 契約金(初期費用):80万円~100万円程度
- 月額料金:5,000円~10,000円程度
- オプション料金:付き添いや買い物代行など、内容に応じて追加料金が発生(1時間あたり2,500円~5,000円)
信頼できる身元保証会社の選び方
信託口座を利用しているか
財産管理の透明性を確保するため、信託口座を利用している身元保証会社を選びましょう。信託口座では、生前中に保証会社が勝手にお金を引き出すことができません。
窓口が一元化されているか
身元保証、死後事務、遺言執行などの業務を一括して依頼できる会社を選ぶと安心です。
経営状態を確認する
料金が安すぎる会社は、経営が不安定な場合があります。倒産リスクを避けるためにも、会社の経営状況を確認しましょう。
身元保証会社利用時の注意点
財産寄付を求める会社に注意
財産の寄付を求める身元保証会社は避けましょう。不適切な財産管理や横領のリスクがあります。
個人法律家への依頼は慎重に
個人が提供する保証サービスは、監視機関がないため、リスクが伴う場合があります。第三者機関のチェックがあるサービスを選びましょう。
窓口が分散していないか
複数の担当者が関与する場合、責任の所在が不明確になることがあります。一元化されたサービスを選ぶことでトラブルを防ぐことができます。
契約時に確認すべきポイント
契約時には、以下の書類を取り交わすことでトラブルを防ぐことができます。
- 事務委任契約書
- 財産管理委任契約書
- 任意後見契約書
- 死後事務委任契約書
- 公正証書遺言書
まとめ
身元保証人がいない高齢者にとって、身元保証会社は重要な選択肢となります。ただし、信頼できる会社を選ぶためには、サービス内容や料金体系、財産管理の仕組みをしっかり確認することが不可欠です。契約内容を丁寧に確認し、不明点があれば第三者に相談しながら進めることをおすすめします。これにより、安心して病院や高齢者施設を利用できる環境を整えましょう。